事例
工場内フォークリフトの危険運転行為の画像検知AI実証実験
- PoXトライアル
- 業種:大手自動車メーカー
背景と目的
我が国におけるフォークリフト労災の状況
- フォークリフトは全国で70万台以上稼働しており、平成28年度のフォークリフト労働災害における死亡者数は28名、死傷者数は1,977人(厚生労働省調べ)となっている
- 直近5年間の当該労災発生推移は横ばいで、厚生労働省の労災防止計画では陸上貨物運送事業は重点業種になっているものの、現時点では減少に至らない状況であり、業界全体の主要課題として認識されている
クライアントの状況
- クライアント(大手自動車メーカーC社)の製造・組立工場内では、製品・半製品の運搬にフォークリフトを多数使用
- C社ではフォークリフト作業員に対し定期的に安全教育・指導を行っているものの、作業時の危険行為が一定数発生。物損事故に繋がってしまったケースも発生
- DOLBIXはC社工場の既設防犯カメラやフォークリフト搭載のドライブレコーダーにて撮像されたフォークリフト画像に着目し、画像をAIによって解析することで危険行為の兆候を判別することを提案
- C社工場内で特に頻発している危険行為を対象に、DOLBIXのコンサルを活用しAIによるフォークリフト危険行為の検知可否に係る実証実験を実施(現在も進行中)
アプローチ
フォークリフト危険行為検知イメージ(例)
AIによって危険検知した段階でアラート発報する仕組みを構築し、事故が発生する前に未然に防止する
- 工場内で稼働しているフォークリフトの動きを工場内既設カメラまたはフォークリフト搭載のドライブレコーダー(AIカメラでも可)に撮像
- 撮像された画像をAIが解析し、危険行為と判断した事象についてアラート発報
- 発報した危険行為については発生日時、搭乗した作業員の名前など実際の動画と共にログ管理し、後に管理者が確認できる仕組みを構築
■危険行為検知イメージ
導入までの流れ
DOLBIXは、実証実験によって危険行為を検知するAIモデルを開発後、精度検証や運用テストを行い、 実運用に耐えうると判断された場合、本格導入を進める方式を取っている
<1> 課題整理
クライアントとのヒアリングや現場視察を通して、実証実験で検証すべき課題を確認
本件の場合、工場を視察し、工場内の環境(明るさ、粉塵、道路の凹凸等)や、実際にフォークリフト危険行為が撮像している動画の確認(フォークリフト作業員の方に危険行為を実演して頂いたケースもある)を実施
<2> 画像解析方式検討
実証実験のアプローチを検討
具体的には実証実験にて使用するカメラ等の機材選定、機材の設置場所・方法の検討、検証対象物(本件の場合、フォークリフト)が撮像されるかの確認を行った上、実証実験にて作成するAIアルゴリズムの定義や実証実験でのタスク、スケジュールを決定
<3> 実証実験(PoC)実施
AIアルゴリズムを開発して精度検証を行い、実際の運用に耐える精度かどうかを確認
アルゴリズムの核である対象物(フォークリフト)の検知モデルの開発結果および危険行為に対する検証を実施
<4> システム検討
<3>にて検証したアルゴリズムの精度が実運用に耐えうるレベルの場合、実運用を想定した業務・システム要件を検討・確定し開発/テストを実施
運用業務フロー、システム構成を基にテストを行い、業務・システム観点で不備不足が無いか確認を実施
<5> 運用開始
AI及び周辺システムを導入し、クライアントにて実運用を開始する。実運用にて発生した課題については継続的にフォローアップし、クライアントと協議の上、解決を図る
さらなるAI精度向上に向けた施策検討も併せて実施
■実証実験(PoC)により部分的に開発を進めて精度を確認した上で本格的な開発をスタートさせます。
ご支援の特徴/ポイント
高度なAI知見を活用した実証実験
解決すべきテーマによって、外部のAIスペシャリストも活用しつつ、
課題に対するアプローチを多角的に分析・検討を行い最適な解決方法をクライアントと共に検討を行う
複数の危険行為事例における最適なAI検証アプローチの知見
フォークリフトの危険行為は様々あり、ドルビックス・クライアント企業にて
各種危険行為に対してどのような検証アプローチが有効であるかを精査・体系化済み
ドルビックス知見を活用することで、各種危険行為に対して最適なアプローチでの検証を進めることが可能