CDP/TCFD
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは、金融安定理事会(FSB)によって設立されたタスクフォース(特別チーム)。
気候変動が企業の財務に与える影響について、企業が気候変動関連のリスクと機会を特定・測定し、開示することを狙いとした「TCFD提言」を公表した。その報告書内で、以下の4項目を推奨開示事項としている。
- ガバナンス:気候関連リスクと機会に関するガバナンス体制
- 戦略:気候関連リスクと機会が事業戦略に与える影響
- リスク管理:気候関連リスクの特定、評価、管理
- 指標と目標:気候関連リスクと機会に関する指標と目標の設定
2023年10月12日現在、金融機関を中心に4872の企業・機関が、日本では1470の企業・機関が賛同している。TCFDに賛同することで、企業・機関の情報開示が推進され、投資家の保護、リスク管理、市場の透明性の向上などが期待される。
CDP(カーボンディスクロージャー・プロジェクト)
CDP(カーボンディスクロージャー・プロジェクト)は、非営利の国際的な環境非政府組織。
企業に対して気候変動、水資源、森林破壊に関する情報開示を求める一方、世界最大の環境情報開示プラットフォームとして、投資家、企業、政府がより持続可能な経済を構築するための情報を提供する。気候変動対策で、低炭素経済への移行促進、気候変動リスクの管理、さらに持続可能な投資を促進するといった効果が期待されている。
CDPの活動内容として、「CDPスコア」と呼ばれる指標で、企業の気候変動対応をAからDとF(無回答)を含む9段階で評価している。1年に1回、調査対象企業に質問書を送付し、回答内容をもとにスコアリング。サプライチェーンの透明性を高めるほか、ESG投資における投資家の意思決定をサポートする役割がある。
TCFDとCDP
TCFDとCDPは、いずれも企業の気候変動対応に関する情報開示を促進する上で重要な役割を担う。TCFDは投資家が企業に求める財務への影響評価と開示を重視しているが、CDPはより広い環境データの提供や気候変動等に関連するリスク評価に焦点を当てている。企業は両方の要求に従って環境情報と財務情報を包括した情報提供が求められる。